Sola cube Microのモデル紹介第三弾は、「惑星侵略兵器」と言われてもなんら違和感のない造形の持ち主。バクテリオファージT4という、大腸菌に感染するウィルスです。

Sola cube Microは「ミクロ生物」をテーマにしています。ウィルスであるバクテリオファージT4は細胞を持たない「非生物」として科学的には扱われていますが、造形的な魅力があまりにも面白く、取り上げることにしました。

さて、まずはこちらのモデリング画像をごらんください。

構造としては大きく分けて頭部、尾部、尾繊維の3つの部分から成り立っています。二十面体の「頭部」には感染する宿主に注入するDNAが格納されており、足のような「尾繊維」を使って宿主に着地します。

下記の動画でご覧いただけますが、大腸菌に着地する前まで尾繊維は折りたたまれていて、大腸菌に感染する直前に開きます。

バクテリオファージT4は様々なタンパク質が複雑かつ精密に絡み合って形成されています。動画内に出てくる「gp7」「gp9」「gp12」などの「gp」は「GlycoProtein」の略称で、日本語で「糖タンパク質」のことを指します。

■バクテリオファージT4の構造

■大腸菌に感染する様子

いかがでしょうか?

動画で見るとさらに、バクテリオファージが「惑星侵略兵器」ではないか?と感じませんか?

「大腸菌のいるところにT4あり」ということなので、動物、人間、そしてあなたのお腹の中にもいるかもしれません。ビックリされた方もいるかもしれませんがご安心ください。彼らはむしろあなたの味方になってくれるかもしれません。

「大腸菌に感染する」という書き方をしてきましたが、バクテリオファージT4は大腸菌にとりついて自らのDNAを注入し、大腸菌を溶かしながら、内部で増殖します。

つまり特定の大腸菌を殺す機能を持つので、医療分野での活用を目的にした研究も進んでいるのです(バクテリオファージを使った医療行為をファージセラピーと言うそうです)。

最近になってバクテリオファージT4の構造は原子レベルで解明されてきています。かなり複雑な造形をしており、Sola cube Microシリーズの中で最もモデリングに時間がかりました…。

しかし、その甲斐もあり、かなり忠実に再現されたバクテリオファージT4の造形になっていると自負しています。


大腸菌にDNAを注入せんとしているその瞬間を表現しています。

バクテリオファージT4のサイズは、200ナノメートルという小さなもので(1nm(ナノメートル)=10億分の1メートル)、電子顕微鏡を使っても細部まで観察することは困難です。

Sola cube Microはそれを立体で再現しているため、飽きるほど、いや、飽きがこなくて困るほどその造形を観察することができます。

自然界屈指の精密機械。是非、お手にとって、その驚異の造形をお楽しみいただければと思います。

aoyama

Sola cube Micro – バクテリオファージT4 6,980円(税抜)
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