ウサギノネドコ図鑑7 ツノゴマ
いまにも「ぱふぁ」といいそうなこれはツノゴマ科の植物の実です。
実といってもこれ自体は果肉の中にあり、種子を運ぶためのもの。
この中に種子が格納されています。
みるからに禍々しい見た目ですが、その御期待を裏切ることなく、
実際に備え持っている特徴もなかなかにずる賢いのです。
まず何と言ってもこの長く伸びたツメ。
英語圏での別名は「Devil’s claw」すなわち悪魔のツメと呼ばれたり、あるいは悪魔のツノとも呼ばれているようです。
やはり気になるのは、なぜこのような奇怪な造形をしているのか、悪魔の名に恥ないそのツメは
どのような役割を担っているのか、ということです。結論から言ってしまえば、凶悪なひっつき虫。
つまり、そのツメで動物の足や毛皮に引っかかり、遠くまで種子を運んでもらうためのものなのです。
果肉に包まれている段階ではこのようなツメはなく、果肉が熟すにつれて硬くなり、
次第にツメを開きます。またこの植物は地面に広がるように育ち、必然的に実も地面に近いところになります。
葉に隠れるようにしてツメを広げ、動物がそこを通るのを待っているのかもしれません。
写真のもので大きさは2〜30cmにもなり、ダイナミックなツメの広がりからしても、
もはやひっつき虫というより「ひっつき獣」といったほうがしっくりきます。
一方で、同じツノゴマの仲間でももう少し可愛らしいものも存在します。
それが新作sola cubeにも仲間入りしたこのタイガーズクローです。
こちらの大きさは2〜3cm程度で、猫のようなツメが2本出ています。
先のひっつき獣に比べるとまだ可愛らしいようですが戦略は似たようなもので、
動物の体に付着して生存範囲を広げていく方法をとっているようです。
植物に限らず、自然の造形には今回紹介したようないわゆる「醜い」造形をしたものがよく見られます。
たしかに我々人間の目からすれば「みにくい」という印象を受けるのも事実でしょう。
ですがそういう形も、自然界の厳しい生存競争を生き抜く上で編み出された独自の戦略を成し遂げるための
磨き抜かれた武器としての造形であり「形になった戦略」ともいえるでしょう。
「美」と「醜」というキーワードが一つのテーマとして取り上げられることがありますが、
どちらも自分の形を追い求める純粋さでつながっているのかもしれません。
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